あれは忘れもしない、大事なプレゼンの日の朝でした。家を出るのが少し遅くなり、急いで駐車場に向かい、愛車のドアを開けようとスマートキーのボタンを押したのですが…反応がありません。何度押しても、ウンともスンとも言わないのです。「え？まさか！」嫌な予感が頭をよぎりました。スマートキーの電池切れです。以前から、なんとなく反応が鈍いなと感じる瞬間はあったのですが、忙しさにかまけて電池交換を先延ばしにしていたのです。完全に油断していました。時間は刻一刻と迫ってきます。パニックになりそうな心を必死で抑え、「確か、電池が切れてもエンジンをかける方法があったはずだ」と思い出そうとしました。スマートフォンの検索履歴を頼りに、まずはスマートキーに内蔵されているメカニカルキーを取り出す方法を確認。私の車のキーは、側面の小さなスライドボタンを動かすと、物理的な鍵がシャキンと出てくるタイプでした。これで、ひとまずドアは開けられます。鍵穴に差し込んで回すと、案の定、けたたましいセキュリティアラームが鳴り響きました。早朝の静かな駐車場に響き渡るアラーム音に、さらに焦りが募ります。近所迷惑も甚だしい。早くエンジンをかけなければ！次にエンジンのかけ方です。ネットの情報によると、「スマートキー本体をプッシュスタートボタンに近づけて押す」とあります。ブレーキペダルを踏み、祈るような気持ちで、電池切れのスマートキーをスタートボタンに押し当てながらボタンを押しました。一瞬の間があり…「キュルキュル、ブォン！」聞き慣れたエンジン始動音が響き渡り、同時にアラームも鳴り止みました。本当にホッとしました。エンジンがかかった安心感で、どっと疲れが出たのを覚えています。結局、プレゼンにはギリギリ間に合いましたが、精神的にはかなり消耗しました。この経験以来、スマートキーの電池は早め早めに交換することを心に誓いました。また、いざという時のために、メカニカルキーの取り出し方とエンジンのかけ方を、実際に一度試しておくことの大切さを痛感しました。皆さんも、電池残量にはくれぐれもご注意ください。そして、もしもの時の対処法を、ぜひ覚えておいてください。