出勤して、さあ仕事に取り掛かろうとした瞬間、あるいは、退勤間際に、私物を取り出そうとした時。いつも使っているオフィスロッカーの鍵が、突然あかなくなってしまう。この、地味でありながらも、非常に厄介なトラブルは、誰の身にも起こりうる、オフィスあるあるの一つです。重要な書類や、財布、スマートキーなどが、中に閉じ込められていれば、その焦りは、計り知れません。しかし、そんな時こそ、パニックにならず、まずは、これから紹介する、いくつかの基本的な応急処置を、冷静に試してみてください。最初に確認すべきは、非常に単純なミスです。それは、「違う鍵を差し込んでいないか」ということです。特に、デスクの引き出しの鍵や、キャビネットの鍵など、似たような形状の鍵が、キーホルダーに、いくつも付いている場合は、無意識に、間違った鍵を選んでしまっている可能性があります。もう一度、キーホルダーをよく見て、正しい鍵であるかを確認しましょう。次に、鍵は正しいのに、回らない、あるいは、固い場合。試してほしいのが、「鍵の抜き差しと、小刻みな動き」です。鍵を、数回、優しく抜き差ししてみてください。これだけで、内部のピンの僅かなズレが、解消されることがあります。また、鍵を差し込んだ状態で、上下左右に、ほんの少しだけ動かしながら、ゆっくりと回す力を、加えてみるのも有効です。長年の使用で、鍵とシリンダーの間に、わずかな遊びが生じ、特定の位置でないと、回りにくくなっている場合があるからです。さらに、ロッカーの扉自体を、少し押したり、引いたりしながら、鍵を回してみるのも、試す価値があります。ロッカーの中に、荷物を詰め込みすぎていると、その内圧で、ロック部分(ラッチ)が、強く圧迫され、鍵が回らなくなることがあります。扉を動かすことで、この圧迫を、一時的に緩めるのです。そして、ここで絶対にやってはいけないのが、無理やり、力ずくで、鍵を回そうとすることです。鍵が曲がったり、最悪の場合は、鍵穴の中で折れてしまったりする、危険性があります。