毎日、当たり前のように使っている、オフィスロッカーの鍵。しかし、ある日突然、それが、うんともすんとも言わなくなってしまう。その背後には、様々な原因が潜んでいる可能性があります。なぜ、あかなくなってしまったのか。その原因を、一つずつ冷静に探っていくことが、的確な解決策を見つけるための、第一歩です。考えられる主な原因は、大きく分けて、四つあります。第一に、最も多く、そして見落としがちなのが、「鍵穴内部の汚れや、異物の詰まり」です。オフィスの環境は、意外と埃っぽく、長年の使用によって、外部から侵入した、細かい埃や、紙の繊維などが、鍵穴の内部に、少しずつ蓄積されます。これが、内部の精密なピンの動きを妨げ、鍵の回転を、阻害するのです。第二の原因は、「鍵自体の変形や、摩耗」です。毎日、何度も抜き差しされる、オフィスの鍵は、私たちが思う以上に、消耗しています。ポケットの中で、他の硬いものとぶつかって、僅かに曲がってしまったり、長年の使用で、鍵の山がすり減ってしまったりすると、シリンダー内部のピンを、正しく押し上げることができなくなり、あかなくなります。スペアキーで試してみることで、この原因を、切り分けることができます。第三の原因は、ロッカー本体側の問題である、「扉の歪みや、建付けの悪化」です。地震による、建物のわずかな傾きや、ロッカーの設置場所の床の凹凸、あるいは、扉に、重いコートなどを、長期間かけ続けることによる負荷などが、原因で、扉全体が、わずかに歪んでしまうことがあります。すると、ロック部分(ラッチやデッドボルト)が、ロッカー本体の受け座(ストライク)に、強く圧迫され、鍵が回せなくなるのです。そして最後に、「錠前内部の部品の故障」です。経年劣化によって、内部のスプリングが折れたり、ピンが破損したりすると、もはや、正しい鍵を使っても、あけることはできません。